JSAI 2024 参加報告

2024年度第38回人工知能学会 (JSAI) が浜松で開催されました。本研究室からは、3人がオーガナイズドセッションにて、1人がポスターセッションにて、発表を行いました。

* M2 盧慧敏: [2T6-OS-5c-01] 大規模言語モデルにおける有害コンテンツの逆学習
勾配上昇法で有害な表現の出現確率を下げる逆学習により、LLMから有害な表現の忘却を試みた。更に、実験結果からはクロスドメイン転移逆学習の可能性も示唆された：ある種類のバイアス（例えば、ジェンダー）でのデバイアスが、他の種類（例えば、人種や宗教）のバイアスも軽減する可能性がある。

* M2 安本英雄: [2I4-OS-1b-03] 日本における Twitter コミュニティノートの利用状況
近年 Twitter に導入されたファクトチェック機能 “Community Notes” の利用状況について、日本の政治的な分極に注目して分析し、クラスタによって付けられるノートの偏りや質の違いが生じていることを指摘しました。

* M1 岸本駿: [2I1-OS-1a-01] レストランレビューを用いた都市空間における出会いの多様性の評価
「都市内の飲食店に来る人が、どれだけ異なる過去の経験を持っているか」を、飲食店の経験的多様性として定義しました。この指標を用い、高い多様性を生み出すような都市特性、店舗特性を分析しました。また、高支出者の方が、多様性の高い飲食店を訪問する傾向を明らかにしました。

* M2 友清雄太: [4Xin2-80] Hot-streak modelの連続成功抽出度合いの定量評価
研究者などのキャリアの連続成功を捉えるhot-streak model[Liu 18]を再現しました。その結果、このモデルは移動平均や突発的な成功の影響を受けやすく、必ずしもキャリア上の連続したハイインパクトな時期を捉えているわけではないことを明らかにしました。